二重螺旋

仕事へのプレッシャーは拭い去れないものの、精神的に安定してきたためか、今年の4月から寝ても覚めても止まらなかった二重の螺旋状に折り重なったブレイン・ストームが消えている。ダブル・バインドとも呼ばれていて、要は記憶の糸が湾曲した形式で絡まり合い、その円環的な思考のひとつひとつが結びついてしまうといったもの。

私はここのところ読書は控えているのだが、視覚で認知する方法と暗唱して読み取る方法と、それから胸の裡で唱える方法との3種類があって、昔は時と場合に応じて臨機応変に使い分けられていたのが、判断力を失っていたせいか非常に混沌とした具合になっていた。自分の一挙手一投足をいちいち気に留めなくてよくなったぶんだけ喜んでよいことかもしれない。ただ、今度は思考停止気味になっていて困ったものである。パーフェクトな状態など求めるだけ無駄というものだ。