今年はありがとうございました

気がつけば大晦日ということで、何か書くべきかなと思い日記をつけることにしました。今年のテーマを一言で表すと "再会" だったように思います。去年まで身動きが取れず3年も時間が停まっていたのに、子供のころの身体感覚が取り戻されていくような不思議な感覚を覚えたのが2月、触れたことのない新しい世界を発見したと感じたのが3月、それが10数年も前に飽いて捨てたもののパロディであると気づいたのが7月、未だ偏見の対象でしかない持病が治ったのが11月、以上が私的な面での大まかな流れです。公的な面では、大衆文化を生みだす大きな社会の裏側で日常的に大人のビジネスを目の当たりにしてきました。風邪をひいた子供のころに熱に魘されながらみた、命令されるがままひたすら海岸の砂粒を数え続ける長い長い夢、あれがまだ覚めていないのではないかという錯覚に陥った瞬間すら、恐怖という感覚は抱かなかったように思います。生きていく上で余計なものを捨てたからではなく、新しい細胞が23年分の古い細胞を食べてしまったから。過去を振り返り感傷に浸りたいといった欲求もなく、変わらないのは失うものがなにもないから恐くはないということだけですが、やはり祖父を亡くしたときと同じように墓標を立てる感覚でなにか作っておかなければなと薄ぼんやり思いつつ手を動かしています。今年は実家の方が24年ぶりの大雪で帰省できないようですが、こちらも外は寒いしあちらは制作環境が整っていないので、そんなことを理由に安心しています。寄り道のし過ぎで大切な時間と授かりものの命を削った一年、来年は5年ぶん生きます。

1月からは初っ端から2年前に身を置いた業界の仕事もします。僅かでも可能性を見出しその方面に特化してくださった恩人に感謝。一時期は本当に恐ろしくて恨みもしましたが、今は追い抜くことで報いたいの一言です。あの経験があったから誰も何も恐くないと同時に、何をやっても虚しいのかもしれないとも思います。前述のマイナーな世界とメジャーな世界との両方から、また自分を狭くて暗い所に引き戻そうとする力を感じますが、無視してどうしようもないなら切り捨てます。影が後ろに長く刀の如く伸びたらよいのに。

今日は12月2度目の新月ということで、これから願い事を書く願掛けをしてみます。欲しいものは経済力と権力と執行力と能力と超能力と愉快な仲間と友達です。発現能力がこれから高まっていきますように。

今年は支えになってくださって、ありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。